デンマークのヘビーメタル/ハードロックバンド。
泣きのメロディと、煌びやかなキーボードサウンドが魅力で、バンドの特徴でもある。
一音一音が結構カッチリしているので、メタル寄りなんでしょうか。
私は「これを超える音楽はあるのかなあ」とすら思っていて、一番好きなバンドです。
「モスクワにいた時は医大に通っていた」という異色の経歴を持つアンドレ・アンダーセンが、
ソングライティングからプロデュースから、トータルでバンドを支配。
「イングヴェイ・マルムスティーンがどこまでやれると思う?」と言う彼は、
自分(キーボード)よりも、ギターやコーラスワークをフィーチャーした曲作りをしています。
彼のクラシック譲りの完璧主義っぷりはアルバムを聴けば一目瞭然ですが、
チェンバロは使ってもオルガンやピアノはあまり使わなかったりするので、
単にキーボードが主役の音楽が聞きたい人には、このバンドは不向き。
今となってはその“スタイル”よりも、独特なギターサウンドが印象的。
Running wild、Easy Rider、One by One、Land
of Broken Heartsなど、ハードロック寄りの曲が多い。
チョーノの入場曲のオリジナルネオクラシカルインスト曲、Martial
Arts収録。
Running wild、Heart of the City、Day In Day
Outあたりの
管・弦楽器をデフォルメしたような音色のシンセソロは、アンダーセンならでは個性。
ボーカルはヘンリック・ブロックマン。
ボーナストラック2曲までシングル級という逸品。
マイベスト盤候補
Flight
Land of Broken Hearts
無駄のない構成は非の打ち所が無く、何と言ってもラストのEpilogueがバンドを代表する名曲。
Ten to Life、Bodyguard、Bad Bloodなど、“アメリカン”な曲が多い気がする(何と表現すべきか)。
ベースもチョッパー気味だったり、このアルバムでしか聞けないような独特な味がある。
しかしジャケットがなかなかメタルしてるので注意(笑)。
Wasted Timeは次作からの先行シングル「Far Away」に収録されているライブバージョンの方が好きだな。
ちなみにこのシングルは阪神大震災の追悼曲で、BURRN!誌の年間ベストチューンに選ばれた。
ギターに、ヤコブ・キエールが正式加入。
マイベスト盤候補
Clown in the Mirror
Epilogue
ボーカルがD.C.クーパーに交替。
彼は、JUDAS PRIESTのボーカルオーディションで最終選考まで残った実績があるそうな。
女声コーラスを多用するなど曲自体も華やかな印象だが、やはり歌詞は結構硬派なわけで。
ストリングスの音は、シンセサイザーだと高音が目立つ野暮ったい音が多いのですが、
Last Good-Bye等での生々しい音はディストーションギターの音色と見事にマッチさせている。
ソロから伴奏から多様な音色の使い分けが白眉。
マイベスト盤候補
Last Good-Bye
Time
CD2枚組で、Moving Targetツアーの東京公演を完全収録。
ベスト盤からいくならこっちへいっときましょう。
なんなら、パフォーマンスも拝めるビデオの方がいいかもしれません。
マイベスト盤候補
Kingdom Dark
神や宗教が絡むテーマのコンセプトアルバム。
テーマのためかネオクラシカル≠ネアレンジが前面に押し出されて、かなりメタル色が濃くなっている。
序盤の The Awakening〜River of Pain〜Tearing
down the World だけでも最高だが、
中・終盤まで、まさに徹頭徹尾やりつくしたようなアレンジも鳥肌モノ。
Time will tell〜Silent Scream〜It's Overがまたイイんだこれが!
シングルカットのMessage to Godはボーカルとギターの魅力が存分に引き出されちゃってます。
全曲再現のライブ盤も出てますよ。
サイドボーカルに元NARITAのケニー・リュプケが参加。
ドラムスのケネス・オルセンが「耳の持病」で脱退。アラン・ソーレンセンがサポートメンバーに。
マイベスト盤候補
Silent Scream〜It's Over
PARADOXツアーの後に、メインボーカルのD.C.クーパーが脱退(解雇?)し、ジョン・ウェストが加入。
ウェストさんは、イングヴェイの『Alchemy』にも関わっていたらしい。
しかも元レインボーのドゥギー・ホワイトもオーディションに参加していたとか。
そのホワイトは今イングヴェイとスティーンのバンドを掛け持ちしている。
この間に、メンバーのソロ作品が出始める。
ジョン・ウェストは、かのコージー・パウエルも認めた実力者。
アンドレのお気に入り。
下手をすれば、そろそろ“金太郎飴”なのかもしれないが、
これまでのようにキャッチーでタイトな曲も少なく、若干「プログレッシブで大作指向」っぽい。
でも一曲一曲のボリュームの割には、何故か淡白な感じを受ける。
レビューでは賛否両論あるが、私は嫌いではない。
別にネオクラシカルでもなければ、女声コーラスもいない。
「何か違うことをやってやろう」みたいな雰囲気を感じ取れます。
マイベスト盤候補
Fear
Lies
SF(レイ・ブラッドベリ)を題材にしたコンセプトアルバムで、前後のミニアルバムとの3部作。
先行ミニアルバムのInterventionの時は、FEARの延長線みたいなサウンドだったが、
本編の最初の曲(The Mission)と、ブックレットなどのメンバーの写真で、絶句!
いい年してポップ系ビジュアルバンドになる気かと思った。
とにかく、アルバムごとに新しいサウンドを求めているものの、個性でもある“定番”感も保っていて、
これまでの作風から逸脱しているとまではいかないとは思う。
テーマがテーマだけに“この手のメタルの宿命”みたいな聞こえ方もする部分はあるが(特に速い曲)、
そういうのが気にならなければ、、、みたいな。
マイベスト盤候補
Surrender〜Clean Sweep
これまでで一番ヘビーで、一番ジャジーで、一番ゴスペルで、一番AORなアルバム。
ジョン・ウェスト版Moving Targetみたいな感じでしょうか。歌詞コンセプトも似てるし。
このバンドに様式美だけを期待している人にはつまらないかもしれないが、
Edge of the worldやEye Witnessあたりはジョンさんのスキルの幅の広さが分かる佳曲だし、
もっと評価されてもいいような内容だと思いますが、どうなんでしょう。
でもHM/HRバンドで“ジャジーな”Wicked Loungeはさすがにちょっとどうかと思うが。
で、ついにボーカルは固定か? と思ったが・・・
マイベスト盤候補
Edge of the World
Burning the Sun
現在、ギターのJKとベースのスティーン・モーゲンセンが脱退し、活動休止中。
アンドレ曰く、「みんな未だに仲は良いから、やる気になればやる」そうな。
アンドレは、他のプロジェクトに参加予定。
スティーンは、ドゥギー・ホワイトを迎えてバンドプロジェクト(CORNERSTONE)として活動中。
ヘンリックは、最近アルバムを出したが(Evil
Masquerade)、本格的な音楽活動からは引退したらしい。
D.C.は、サイレントフォースというヘビーメタルバンドを結成。
ジョンは元の鞘のアーテンション?
JKは不明・・・
(2004年7月の話)
「興味あるけど、いきなり新品で買うのもな〜」という人は、
洋楽(ヘビーメタル/ハードロック)の中古CDが置いてある店に行けばおそらく安価で手に入るはずです。
レンタルショップよりは確実に置いてあると思われます。
Amazonあたりでもいいんじゃないでしょうか?
サンプル音源は、各公式サイトで配布されています。
ボーカルのジョン・ウェストの喉が不調で、何やら癌だったという話もあり、大変心配された。
しかしさしもの実力者、見事にまとめてきました。
インストが3曲あり、私は彼らのインストも好きなので満足。
ボーカル曲も相変わらず素晴らしい。
ギターは速弾きのマーカス・イデルが加入。ドラムはケネスが叩いている。
マイベスト盤候補
Seven Days
SK983
CD2枚組で、ロシア・サンクトペテルブルク公演を完全収録。
ベスト盤からいくならこっちへいっときましょう。
なんなら、パフォーマンスも拝めるDVDの方がいいかもしれません。
ボーカルがあのマーク・ボールズに交代してのPARADOXの続編。
このあたりから「もはや凡庸」と言われ始めるが、アンドレに言わせれば「こっちの方が良い」。
やはりこの声を得たのは大きく、オープニングの2曲は持ち味を存分に発揮する形となっている。
マイベスト盤候補
Principles of Paradox〜The First Rock
古き良きハードロックを再現するというコンセプトで制作されたが、このバンドらしさは確かにある。
アナログレコーディングを敢行するという徹底ぶりで、楽曲面でも成熟した面が感じられ、
個人的には良いアルバムだと思う。
やはり知識・経験・自信が無いとこういう音楽はできないんだろうなー。
凄いのは、同じベクトルは向いていながらも、毎回違った事をやってマンネリしない所ですな。脱帽!
マイベスト盤候補
The Well
Shadowman
ボーカルにD.C.クーパーがカムバックしての快作。
往年のキャッチーさを取り戻した感がある。
アンドレとD.C.の音楽的相性が良いのかも知れない。
ギターがヨナス・ラーセンに交代。
この辺りではもう既に怪しさを通り越してるんだよなぁ・・・いや、個人的な話。
この後に結成20周年記念ベストアルバムが出ました。
マイベスト盤候補
Hard Rain's Coming
Half Past Lonliness
もうそろそろアイディアも出尽くしたかと思いつつも、どんな作品を炸裂させるのかと期待していたら、
随分お高く留まった雰囲気で来た。 個人的には歌詞も見逃せない。
アンドレがイタリアのテレビ局とサウンドトラック制作の契約を交わしたというニュースが飛び込んできたが、
これも彼の音楽的な懐の深さを示すキャリアだと思う。
音楽家として本物である証拠である。
私なんかはそんな芸当は出来ないし、マジ才能がある人が羨ましい!
マイベスト盤候補
A Bullet's Tale
One Minute Left to Live
12作目のインタビューで、アンドレは今後の活動についてかなりネガティブな発言をしていましたが、
最近ニューアルバムが制作中である旨の発表がありました。
以前も「辞める辞める」言ってて復活してきた経緯があるので、「またかー心配させやがって!」というね。
今度はどう来るのか非常に楽しみです。
ありがとうアンドレ!